低用量ピル(低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬)
- 低用量ピルとは
- 低用量ピルはエストロゲンとプロゲスチンという2種類の女性ホルモンを含む経口避妊薬です。女性ホルモンの働きをコントロールして排卵を抑制することで、高い避妊効果が期待できます。
また、低用量ピルには月経の周期を整える効果や、月経に伴う症状(月経痛など)を軽くする効果もあり、月経の周期が乱れている方には月経周期の調整、月経に伴う症状がつらい方には症状軽減のためにも使われています。
わが国では、避妊目的で使用されるものをOC(Oral Contraceptive)、月経困難症や子宮内膜症の治療に使用されるものをLEP(Low dose estrogen-progestin)と呼んでいますが、どちらも一般的には低用量ピルという名前で知られています。 - 避妊以外の低用量ピルの効果
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- 月経痛の軽減
- PMS(月経前症候群)の軽減
- 月経過多による貧血の改善
- 月経不順の改善
- ニキビの改善
- 子宮内膜症の予防など
- 低用量ピルの種類
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低用量ピルは含まれている黄体ホルモンの種類によって4種類に分かれます。
また、月経周期を通してホルモンの量が変わらない一相性ピルと、三段階に変化する三相性ピルがあります。一相性ピル
一相性ピルは服用するすべての錠剤のホルモンのバランスが同じで、マーベロン®、ファボワール®などがあります。一相性ピルはニキビや肌荒れに効果があるされており、生理の日をずらす時には一相性ピルが良いと言われています。
三相性ピル
三相性ピルはホルモンの配合の比率が三段階に分かれており、体内のホルモンバランスの自然な変化に近づくように設計されています。三相性ピルにはアンジュ®、ラベルフィーユ®、トリキュラー®などがあります。
体内での自然なホルモンバランスに近いため、副作用が出にくいとされています。 - 低用量ピルの避妊効果
服用の仕方を間違えなければ、1年間の避妊失敗率(妊娠率)は0.3%程度といわれています。たまに飲み忘れた場合でも8%といわれています。他の避妊法(コンドームでは2~15%、排卵日を避ける避妊法で9~25%といわれている)と比べて、かなり高い確率で避妊することができる方法といえます。
- 低用量ピル処方の流れ
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初回
問診、婦人科診察(内診)、血圧測定などを行います。問題がなければまずは1シート処方いたします。
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2回目以降
毎回血圧測定を行います。問診で健康状態や副作用の有無をチェックします。問題がなければ2~4シート処方いたします。
<定期健診のお願い>
年に1回程度、婦人科診察(内診)、子宮がん検診、乳がん検診をお願いしております。
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- 低用量ピルの服用
低用量ピルは毎日1回1錠ずつ内服を継続することで効果が得られます。飲み忘れに注意しましょう。
治療期間や服用回数は個人によって異なります。治療効果や妊娠のご希望の有無などによりご相談ください。- 当クリニックで取り扱っている低用量ピル
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当クリニックでは皆様に安全に低用量ピルを服用していただくために、初回処方時には婦人科診察(内診または経腹超音波)をさせていただきます。
これまでに低用量ピルを服用されておられる方で、新たに当院で継続処方をご希望される場合も同様に診察をさせていただきます。
処方のみのご要望はお引き受けいたしかねますので予めご了承ください。保険
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ルナベルULD
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フリウェルULD
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ヤーズ
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ヤーズフレックス
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ジェミーナ
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自費
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アンジュ
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ラベルフィーユ
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トリキュラー
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ファボワール
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マーベロン
患者様に合わせてご提案させていただきます。
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- 費用
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初診料 2,900円 再診料 750円 経腟超音波検査 1,650円(税込) 子宮がん検診 4,750円(税込) アンジュ® 2,640円(税込) ラベルフィーユ® 2,310円(税込) トリキュラー® 2,640円(税込) ファボワール® 2,310円(税込) マーベロン® 2,610円(税込) - 副作用
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もっとも注意しなければならない重大な副作用に血栓症(動静脈血栓塞栓症)があります。特にピルの服用を開始した最初の4ヶ月程度はリスクが増加するといわれています。ピルを服用中に以下のような症状が見られた場合は、すぐに医療機関へご相談ください。
<血栓症を疑う症状>
- 激しい腹痛
- 激しい胸痛、息苦しさ、押しつぶされるような胸の痛み
- 激しい頭痛
- 見えにくいところがある、視野が狭い、舌のもつれ、失神、けいれん、意識障害
- ふくらはぎの痛み、むくみ、押すと痛い、赤くなっている
また、ピルの服用を開始してから1~2ヶ月の間は、吐き気・嘔吐・頭痛・乳房の張りや痛み・不正出血といった副作用が出ることがあります。多くのケースでは次第に症状が収まっていきますが、どうしても気になる場合は我慢せず、ご相談ください。副作用を抑えるお薬を使用したり、ピルの種類を変えてみるといった対応も可能です。
低用量ピルを服用できない方
- 1:乳がんのある方
- 2:血栓症を持つ人やリスクの高い方
- 3:初経発来前や50歳以上の方
- 4:重症の高血圧や糖尿病、肝機能障害のある方
- 5:妊娠または妊娠している可能性のある方
- 6:喫煙者(35歳以上で1日15本以上の喫煙)
- 7:前兆を伴う片頭痛などのある方
- など
詳しくは、医師にご相談ください。